看取り士日記(303)~夢の実現に向けて~

看取り士日記(303)~夢の実現に向けて~

2020年06月10日(水)10:45 AM

バラの花の甘い香りに思わず足を止める季節。

私は30年来の夢、全ての人が最期愛されていると感じて旅立てる社会を創るために

株式会社日本看取り士会を立ち上げた。

 

「おひとり様みまもりサービス」そして「生涯安心プラン」。一人暮らしの多くなった現在、見守りから最期のその時までご一緒し、この夢の実現を果たしたいと願ったからである。

 

先日もおひとり様の依頼を受ける。長く一人暮らしだった弟に、せめて最期だけでも暖かいぬくもりのある時間を過ごしてほしいと言うお姉さまからの依頼だった。

 

もう1人の家族として看取り士は寄り添う。その最期にあたり、手をつないで語られるお姉様の言葉に胸が熱くなる。「小さな頃、手をつないでお家に帰ったね。夕焼けが綺麗だったね。ありがとう」「やんちゃなあなたはとても暴れん坊で、でもとても正義感が強くやさしくて、私をいつもかばってくれたね。ありがとう」

 

こんな想い出を語られるお姉様と弟さんの時間はまるで当時のままだった。

 

「人は旅立つ時25メートルプール529杯分の水を瞬時に沸騰させるだけのエネルギーを渡していく」とあの瀬戸内寂聴さんがおっしゃった。この言葉の真実を体験させて頂く尊い時間こそが看取りの時間。

 

そんな中で、一通のメールを受け取る。

半年で2人の旅立ちを見送ったと言う知人からのメールでの励ましに、勇気を頂く。

 

「コロナウィルスを機に、自宅での最期を希望する人が増えていると言うのは病院側の都合と言う物理的な要因もあるのでしょうが、日本人の真の優しさに戻っていく証なのでしょう。『小さな単位に戻る事』は、これからの時代とても大事だと感じます。父は子供も孫も比較的近くに住んでいたのですが、結局は1人で逝ったのだと思います。その覚悟をしていたように思います。『お一人様見守り』と『生涯安心プラン』は『1人で逝く』ことの支えとして、とても良いサービスだと思います」

 

尊い命を差し出して「いのち」を渡してくれる人々。私たち看取り士は、その命に「もう一人の家族」として向き合い、残されたご家族に「いのち」そのものを手渡す。

この尊い役割を授けて下さり、励ましを頂く皆様に感謝、合掌

 

看取り士  柴田久美子



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