無償見守りボランティア “エンゼルチーム”
「尊厳を支えるケアの確立」に向けて、具体的な方策を講じていくことが求められる。言うまでもなく、介護保険制度は、その中で中心的な役割を果たすことが期待される制度であるが、あらゆる課題すべてが介護保険制度で解決されるものでないことにも留意すべきである。
在宅死はなぜ難しいのでしょうか?
在宅でターミナルを支えるためには、必然的に24時間の介護が求められますが、介護保険制度ではこのような形をフォローするような仕組みがありません。
介護保険には月々の限度額がありますが、一番重い「要介護5」の方でも、毎日3時間訪問介護を使えば、限度額を超えてしまいます。限度額を超えた介護保険サービスは利用者の全額負担となり、全時間ヘルパーを使用すると莫大な費用がかかります。また、私たち「看取り士」を含む保険外サービスも、費用の面で同じ問題を抱えています。
施行当初の基本理念を「家族介護から社会的介護へ」とした介護保険制度ですが、残念ながら、在宅ではいまだに家族介護に頼らざるを得ない現状があり、ページ冒頭における引用(厚生労働省「高齢者介護研究会」による報告書 「2015年の高齢者介護~高齢者の尊厳を支えるケアの確立に向けて~」)で示した通り、介護保険制度を補完する仕組みが必要となっています。
エンゼルチーム
無償見守りボランティア「エンゼルチーム」は専門職・制度・ご家族で埋められない部分を補うために考案されました。誰にも過度な負担をかけることなく、穏やかにその人の最期のステージに寄り添うことを目的として、看取り士の派遣される現場に派遣され、ともに活動を行います。エンゼルチームの方々による見守りで、家族様の負担を軽減いたします。
エンゼルチームは旅立つ方の近隣の地域の方々、市町村内の地域の方々で組織し、ボランティアで見守りと緊急連絡を行います。事前に都合の良い時間を教えて頂き、自分のできる範囲で、旅立つ方に寄り添って頂きます。
一番大事な時、一番大事なことは、専門的なことではありません。ただ、そばにいる。ただ、手を握る、身体にふれる。それが最も大切なことです。
協力員募集
看取り士と共同で活動を展開しています。日本中にエンゼルチームを作るため、また「看取り」を大切に思っている人々の声を集めるために、エンゼルチーム協力員を全国から募っています。どうかご参加をお願いいたします。