看取り士日記(307)~無償ボランティアに参加して~
暑い夏に美しく朝顔が咲いている。朝顔の花言葉は「固い絆」と言う。
病院に入院中のお父様(87歳)が食事を摂れなくなる。
面会制限が有り自由にご家族が会いに行けない中で「最期は自宅で過ごしたい」とのお父様の想いに応えたいと娘さん(58歳)からご連絡を頂く。
看取り士派遣の後に、翌日から無償ボランティアエンゼルチームの皆様が傍らに寄り添う。
その中で高校生のボランティアさんが次の様な清らかな感想を書いてくれた。
8月の終わりに初めてボランティア「エンゼルチーム」に参加させていただきました。
お家にお伺いして挨拶をした際に、右手を差し出してくださったので、終始右手を握らせていただきました。利用者様の温かさが伝わってきて自然と緊張が解れ、笑顔になれました。
外出からお戻りになられたご依頼者様に「お話が好きだからたくさん話しかけてあげて」と言われたのですが、表情や呼吸合わせに意識を向けていて、周りを見ることができず、話題を見つけられませんでした。振り返ってみると、お布団の中で足を動かされていたので、「さすりますか?」と声をかけることができました。
時間の5分ほど前にご依頼者様に「そろそろお支度してもらって構いませんよ。」と言っていただいたのですが、最後まで居なくてはならないものなのかと思い込み、すぐにその場を離れることができませんでした。60分間の寄り添いボランティアでしたが体感は30分もないくらいで、もっと傍に居たかったと感じ、思わず「ずっといたいです。」と口にしてしまった程です。それに対して利用者様は、優しく微笑まれ「ずっといてください」とお声がけくださって、とても嬉しく温かい気持ちになれました。
社会の常識も知らないような高校生なのに快く受け入れてくださった利用者様と御家族の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです。
また機会があったら、ボランティアに参加したいです。
この度は、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
現場にあたたかい春風を運んで頂いた高校生の無償ボランティアエンゼルチームの皆様とご利用者様に感謝、合掌
文責 柴田久美子
※ 本来のタイトルは「無償ボランティア エンゼルチームに参加して」のところ、字数の制限により表題のようになっています。