看取り士日記(347) ~感謝と涙の中で~

看取り士日記(347) ~感謝と涙の中で~

2024年02月13日(火)4:59 PM

 

夏の終わりが近づく頃、まだ暑さが残る日のことだった。

「祖母の旅立ちが近づいています。私と私の長女は医療の現場で働いていますが、次女はそうではありません。次女が祖母の体の変化や、これから来るであろうことをどう受け止められるのか心配しています。看取り士さんの力をお借りしたい」という、お電話をいただいた。

 

ご自宅を訪れると、おばあ様は静かにベッドに横たわられていた。数日前までは苦痛を訴えていたそうだが、今はその訴えもなく、目を閉じて、一呼吸ごとに口で息をされている状態だった。

そっと手を握らせていただき、呼吸を合わせる。静かな部屋の中で、時間がゆっくりと流れていく。その後、次女様に終末期の身体の変化や、死についての考え方(死生観)、そしてご家族様が寄り添いながらできることについて、丁寧にお話をさせていただく。

 

一緒におばあ様のベッドのそばに座り、次女様に手を握って頂きながら、おばあ様の穏やかな呼吸を感じていただく。おばあ様が毎日のように作ってくれた温かな食事のこと、駅まで車で送り迎えしてくれたこと、一緒に過ごした貴重な時間の話をたくさんしてくださる。

「おばあちゃん、ありがとう」という言葉が、静かな部屋に響き渡った。

 

翌日の夕方、「祖母が旅立ちました」という連絡を受け、訪問医の先生との入れ替わりになる形でご自宅に到着。そこにはすでに集まっていたご家族様が、おひとりおひとり、おばあ様を優しく膝枕し、足元を囲んでいた。

皆様でおばあ様の身体の温かさを手のひらで感じていらっしゃった。「本当、温かいね。温かいね」という言葉が、部屋に満ちていた。そこには感謝の気持ちと涙が溢れていた。

 

四十九日が終わり、心配されていた次女様の様子を伺うと、「笑顔でおばあちゃんの話をしています。本当にありがとうございました」と、感謝の気持ちを伝えてくださった。

このご縁に心から感謝し、この尊い瞬間に立ち会わせていただけたありがたさに感謝 合掌

 

   看取り士 清水 和土

                  文責 柴田久美子

 

 

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