看取り士日記(354) ~おひとり様でも救急隊から看取り士へ~
今から3年ほど前、一本のメールが届いた。「他県から看取りステーションがある地域への引っ越しを考えている。季節の良い5月か6月にと考えているので今から最後までサポートしてもらえる準備をしたい。」
住む家を探されて、琵琶湖の見える日当たりの良い場所が決まった。看取りステーションにご希望になったのは、「おひとり様みまもりサービス」だった。セコムさんのみまもりホンのボタン一つで、毎日の定期的な「元気にしています」の連絡が看取り士に届く。例えば、押し忘れても安心。連絡が無いときは、看取りステーションから連絡をする。
もう一人の家族として寄り添う看取り士は、毎月1回訪問してご希望やお困りごとなどをゆっくりお聴きする。
お引っ越し後、小旅行やテニスで汗を流した後のビールがおいしいと趣味のある暮らしを楽しまれている。クリスマスには、ツリーを準備されたり、お写真も飾られて、その時々の季節も楽しまれる暮らしがある。
そんなある日、救急隊からお電話が入った。「N様の代理で電話をしています。看取り士さんですか。○○病院に来てくださいと頼んでおられます。」との連絡。
すぐに病院に駆けつけて、N様に面会し、ご希望の入院準備品を取りに行き病院にお届けした。検査を終えて、治療やリハビリをされ、退院はご自分でご自宅に帰れるほど、元気に回復。
退院後2か月を過ぎて、また週2回のテニスを楽しまれ、湖岸の散歩など体を動かしたり、食事に気を付けたりと、身体をいたわりながら暮らされている。
「今回は、本当に助かりました。骨も任せているし心配事があれば、いつでも相談します。」と以前より笑顔で話されている。
お元気な時からご利用いただく「おひとり様みまもりサービス」は、まさかの時の安心につながる。みまもりホンでの毎日のつながりと、もう一人の家族のように寄り添うサポートで、日々の暮らしに不安がなく暮らせることを喜んでくださるご利用者様に感謝
合掌
担当看取り士 西河美智子
文責 柴田久美子