2025年12月26日

第1回:死ぬって、なんか“再起動”だった。
胎内体感の最初の一歩。「死に向き合う」ことが、「生き直す」ことにつながった瞬間。
こんにちは。いつもはインスタグラムやFacebookを更新している担当者です。
今回新しく始まったこの連載では、不定期で「胎内体感」について少しずつご紹介していきます。
「胎内体感って、結局のところなに?」という声、きっとありますよね。
そんな方にこそ読んでいただきたいなと思って、この連載をスタートしました。
私たち日本看取り士会では、「宿泊型胎内体感」をはじめ、
「オンライン胎内体感」や「おやすみ胎内」、
さらに「ペットグリーフケア体感」など、胎内体感をベースにしたさまざまな講座を開催しています。
でも、どんなに大切な取り組みでも、言葉だけで伝えるのって難しい。
そこでこの連載では、私自身の体験や、実際の参加者の声も交えながら、
この研修に流れる“空気”を、少しずつお届けしていけたらと思っています。
今回のテーマは、
「死ぬって、なんか“再起動”だった。」
これは、宿泊型の胎内体感を受けたときに、ふと浮かんできた言葉です。
研修では、パーテーションで囲まれた小さな空間に入って過ごします。
私は専用の研修所で受講したのですが、建物に入った時点で「非日常」に切り替わった感じがありました。
だからこそ、実際にパーテーションの中に入った時は、意外と「お、やっぱり狭いな」というくらいの感覚でした。
事前に聞いていた通りで、少しだけ圧迫感もある。でも不思議と、嫌な感じはありませんでした。
そこからの時間は、スマホもなし、読書もなし、話すこともなし。
外の情報がまったく入ってこない静かな時間が始まります。
最初の面接(体験中に数回あります)では、まだ緊張が残っていました。
ただ、2回目の面接あたりから、少しずつこの空間のリズムに慣れてきたように思います。
外の世界ではあたりまえのように流れていた「せわしなさ」が、すっと遠のいていくような感覚。
気づけば、思考や感情が静かにリセットされていて。
まるでパソコンを再起動するみたいに、内側からゆっくり整っていくような時間でした。
会長の柴田久美子が、胎内体感について
「死とは胎内に還ること」
と言っていたのを思い出しました。
“死”と聞くと、どうしても「怖い」「つらい」というイメージがあります。
でもこの体験を通して感じたのは、それとはまったく違うやわらかさでした。
静かで守られているような感覚。言葉にするのは難しいけれど、
「何かが終わる」ではなく、「静かに戻っていく」ような時間だったのです。
たとえば高齢になると、言葉が少なくなったり、動きがゆっくりになったりします。
それって、生まれたばかりの赤ちゃんと似ていますよね。
“生まれるときと、旅立つときは似ている”という視点には、私自身も納得感がありました。
もちろん、私もすべてを理解しているわけではありません。
でも、こうした考え方や空間にふれることで、「死」や「生きること」が少しやさしく見えるようになった気がします。
この連載では、宿泊型体験だけでなく、
「おやすみ胎内」や「オンライン胎内体感」、
そして「ペットグリーフケア体感」など、さまざまな胎内体感の形を取り上げていきます。
どれも共通しているのは、“自分の中にある安心”にふれるということ。
そして、“ほんの少しだけ、心の視点が変わる”ということ。
そんなやさしい体験を、これから少しずつお届けしていきます。
次回は第2回、
「泣けたのは、“お母さんもはじめて”だったから。」
ロールレタリングという手紙のワークで出会った、ある一文をきっかけに
“親を見る視点”がふっと変わったお話です。
どうぞお楽しみに。

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