2026年05月08日

月曜日、甥の方からのご依頼。「『会わせたい人がいたら呼んでください。余命は2~3日です』、本人も家族も家に帰りたいのに病院が許してくれない。行って寄り添うことは可能ですか?」と相談を受ける。
火曜日、余命宣告で示された期限は過ぎている。数日前までは普通に暮らしていて、ケアマネがついたことはない。突然の入院、いきなり短い余命宣告を突きつけられて戸惑うのは当然で、全てを受け入れがたく、何をどうしたらいいのか不安でしかなかったという。最善は、願い通り今すぐ自宅へ帰ること。
現在、病室で装着している酸素装置は特殊で、自宅での継続は不可能。『もう少し様子をみましょう』という提案に納得し、入院継続を了承。
利用者様は顔色も良く、「お家に帰らせてくれる人を連れて来たよ!」という言葉に、嬉しそうに私とガッチリと握手を交わす。私は「お見舞いに来ました。大丈夫ですよ。安心してください。もう少ししたら一緒に帰りましょう」とお声がけした。
「喉が渇いた!」酸素マスクを外し、楽のみ器で数口飲まれ、酸素濃度も安定し元気であった。
このまま回復してくださることを確信して病室をあとにする。希望の光が見え、「看取り士さんが来たら元気になって手を上げて力強く握手した。看取り士さんって凄いパワーを与えてくれるんですね!」とご家族。2日後の朝方、病室での旅立ち。
ご自宅では、胸の上に1個だけドライアイスが載せられていた。葬儀屋さんから「これだけは譲れません」と念を押されたそうで、依頼者様も諦めていた。幸いお身体は柔らかく、かなり温かく、皆様も「ドライアイスで冷やされているはずなのに、こんなに柔らかくて温かいなんて凄い!」と感心。看取りの作法の中、家族に囲まれながら皆様が笑顔で昔話に花を咲かせ、話は尽きない。
「あれ?おばちゃん笑ってる!いつの間にか笑顔になっているよ!」
依頼者様の膝の上で、お顔が笑顔に変わっていた。皆様の驚きと笑顔、そして笑い声。「良かった、良かった」と何度も何度も。
皆様の笑顔は私の宝物になった。後日、「おばちゃんの横で布団を並べて眠ります」とメッセージと写メが送られてきた。尊い学びをさせていただけた皆さまに感謝、合掌
担当看取り士 村松雅文
文責 柴田久美子

086-728-5772
お問い合わせ