一般社団法人日本看取り士会/一般社団法人日本看取り士会

看取り士日記(379)~愛に包まれて~

2026年10月08日

看取り士をよくご存じの方からのご依頼。難しい疾患で入院治療を続けていたご依頼者さまのお母様を、ご自宅で看取ることになられ、最期のときは、ぜひ看取り士が立ち会い、ご家族のお別れの大切なときを過ごせるようにしたいとの連絡だった。

本部より連絡を受けた看取り士が、すぐにご依頼者さまのお母様のご自宅へ訪問。その後、ご依頼者さまより、お母様がご逝去されたとの一報が入った。「看取り士にすぐに来て欲しい」との連絡。

お母様はお医者様のご臨終の診断も看護師さんの処置もすでに終えられ、リビングの横の和室のベッドで臥床されていた。
ベッドの柵を外し、一番低い状態になったベッドの上で、妹さまから看取りの作法をしていただいた。お母様に“ありがとう。ゆっくり休んでね!”と声をかけられ、お母様の思い出話をご依頼者さまと、時には笑顔でたくさんたくさん話されていた。それは、お母様と娘様お二人でお出かけしている時のような、親子三人の楽しい会話。

険しい表情で、リビングの奥に座り、看取りの作法をお勧めしても“いい……”と言葉少なく云われていたお父様であった。が、娘さまたちのご様子をご覧になられている間に、少し表情が和らぎ、“次はお父さんがベッドにきてお母さんにしてあげて。”と声をかけられると、そっとベッド上で看取りの作法をなさる。
“本当に先に逝ったんやなあ。苦労かけたなあ。悪かったなあ。”とお母様の顔や身体に触れながらたくさんの声をかけられていた。“本当よ。苦労ばっかりかけて。”と笑顔で会話する娘さんとともに、お父様の表情にも笑顔がみられるようになった。

ご臨終から二日後のご葬儀までドライアイスは入れず、最期のお別れの納棺や葬儀もご自宅でご家族様だけで行なわれた。
愛に包まれた、その空間に看取り士として立ち会わせて頂いたご家族様に心から感謝、合掌

 

担当看取り士 永見誠二
大浦知子
文責 柴田久美子

 

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