一般社団法人日本看取り士会/一般社団法人日本看取り士会

新規講座:ペット医療看取り学講座 販売開始

2025年11月13日

獣医療の現場で働く方、動物看護師、そしてペットの命と向き合うすべての方に向けた新講座「ペット医療看取り学講座」の販売を開始いたしました。
この講座は、動物医療の専門性看取り士の死生観を融合させ、ペットの終末期を「穏やかな時間」として支えることを目的としています。

※ 既存の「ペット看取り学講座」より、特に獣医療にかかわる専門職の方向けに制作されたものです。前提資格はなく、そのままご受講いただけます。

講座概要

本講座は、人の「医療看取り学」で培われた理論と実践をもとに、動物の命の最期をどう支え、どう寄り添うかを体系的に学ぶ通信講座です。

  • ご自宅で学べる DVD+テキスト教材
  • 「ペット看取り学講座 入門編」も同梱、「ペット看取り学」の基本的な考え方を学んでいただきます。
  • 動物医療従事者・動物看護師を主な対象にしてはいますが、その他動物専門職の方々や一般飼い主の方も受講可能です。
  • 修了時にはテストの提出の上、修了証を発行(資格要件により「ペット医療看取り士」認定も)します。

受講後・資格について

一般の方

  • 修了証を発行いたします(資格認定はありません)。
  • ペットロスや終末期ケアへの理解を深め、ご自身や家族のペットを支える学びとしてご活用いただけます。

獣医師・動物看護師の方

  • 修了証を発行の上、「ペット医療看取り士」としての資格が得られます。
  • ※ 別の講座受講は不要。本講座のみで取得可能です。
  • ※ この資格は、既存の「ペット看取り士」とは別の専門資格となります。
  • ※ 事業にご利用の際などには「認定料」(13,200円/年)のお支払いをお願いいたします。

推薦コメント

 「獣医師シワ男」で有名なふじわら動物病院 院長 藤原光宏先生に下記のようなコメントをお寄せいただきました。

私は獣医師として、これまで多くの動物と飼い主さんの「最期の時間」に立ち会ってきました。
その中で強く思ったのは、動物にも人と同じように“看取り”の医療や支えが必要だということです。

ペット医療看取り学講座は、動物医療の現場と飼い主さんの心と動物の尊厳をつなぐ、とても意義のある講座であり、事例も踏まえたとてもわかりやすく、すぐに実践できる講座だと思います。
獣医師、動物看護師が学ぶことで、ペット医療看取り士としての資格も取得でき、責任とやりがいを感じられると思います。
動物の最期を「苦しみ」ではなく「穏やかな時間」として迎えるために、看取りの知識と飼主さんへの共感力などを学べるこの講座は、今の時代にこそ必要な講座であり、資格だと思います。

この講座で、看取りの知識が広がることで、動物医療に携わる人と動物と飼主さんの関係がよりやさしく、温かいものになると信じています。
私は、心からこの講座を推薦いたします。

講師プロフィール

星川未羽 先生

酪農学園大学獣医学部獣医学科卒。
在学中よりアニマルセラピーのボランティアに携わり、動物が人と心を結ぶ力に触れる。
臨床獣医師として複数の動物病院に勤務し、現在はまつだ動物クリニック勤務。

日々の診療の中で「ペットとご家族の最期をどう支えるか」を模索する中、看取り学・ペット看取り学・柴田久美子会長と出会う。
現在は獣医師・看取り士・ペット看取り士として、動物医療と看取りをつなぐ活動を行っている。

古宇田 敦子 先生

精神科医/看取り士。
横浜市立大学附属市民総合医療センター、神奈川県立がんセンターなどでコンサルテーション・リエゾン精神医学を学ぶ。
2005年より精神科産業医として働く人のメンタルヘルス支援、職場環境改善、教育活動などに従事。
日本緩和医療学会PEACEプロジェクト修了者。精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本医師会認定産業医。

ペット医療看取り学では、飼い主と医療者双方の「悲嘆」や「心のケア」を専門的に解説。

柴田 久美子

日本看取り士会 会長。
島根県出身。1993年より看取りの世界に入り、2002年に離島で「看取りの家」を設立。
本人の望む自然死で抱きしめて看取る実践を重ね、2010年に本土で「看取り学」を体系化。専門職「看取り士」や「ペット看取り士」の育成を通じ、全国に“抱きしめて看取る文化”を広げている。著書『いのちの革命』(舩井勝仁氏共著)ほか多数。

講座内容

第1章 ペットの終末期ケア

医療的にできることが少なくなった時期に、ご家族の心を支えながら、苦しみを減らし“その子らしい時間”を守るための終末期ケアを学びます。点滴や治療の是非だけでなく、ペットと家族双方のQOL(生活の質)を尊重する視点を養います。

第2章 ペットの最期の迎え方

「死にゆく過程の質=QOD」を重視し、安楽死や尊厳死など避けて通れないテーマに正面から向き合います。医療の目的を“治す”から“穏やかに旅立つことを支える”へと転換し、家族とともに悔いのない最期を迎えるための支援を考えます。

第3章 ご家族の心理と希望への寄り添い

飼い主の揺れる心に全肯定で寄り添うための基本技法「傾聴・反復・沈黙」を学びます。ペットの想いを主語に据え、「この子ならどうしたいか」という視点で家族の決断を支える姿勢を身につけます。

第4章 院内での実践と支え合いの構築

“看取り”を特別ではなく日常の医療文化として根づかせる取り組みを紹介。動物病院での看取りカフェや記録ノートなど、スタッフが悲嘆を語り合い、支え合う仕組みを通して、チーム全体のケア力を高めます。

第5章 ペット医療看取り士という存在

ペットロスや「公認されない悲嘆(Disenfranchised Grief)」を理解し、ご家族の“わかってくれる人”として寄り添う役割を探ります。正しさよりも家族のペースを尊重し、命の尊厳を支える存在としての心構えを学びます。

第6章 心と言葉がいつも一致するように

言葉と心のズレをなくし、非言語的なコミュニケーション(表情・声色・沈黙・触れ方)を磨きます。獣医療従事者自身の悲嘆や無力感にも目を向け、「感じること」を取り戻すセルフケアの大切さを学びます。

第7章 プラスの死生観 ~命のバトンを受け取る~

看取りとは“死を命に向き合う最大の場面”であり、命のバトンを家族へ受け渡す行為であるという「プラスの死生観」を学びます。死を終わりではなく継承としてとらえることで、ご家族が愛と感謝の中で見送れる心を育みます。

第8章 寄り添いの技法

傾聴・反復・沈黙・触れ合いという4つの柱を軸に、呼吸法や立ち位置、穏やかな表情「モナリザの微笑み」など、看取りの現場で実践できる寄り添いの技法を習得します。六感を磨き、言葉を超えて安心を伝える感性を培います。

第9章 ご家族様の心理過程

否認・怒り・取引・抑うつ・受容という心の変化を理解し、家族の悲嘆を希望へと導くプロセスを学びます。ペットの死後も続く心の癒しの過程を支え、“共生=命のエネルギーを受け継いで生きる”段階へ導きます。

第10章 もがりの時間がもたらす癒し

ペットの死後に訪れる「もがり(静かな癒しの時間)」を大切にし、焦らず心を整える期間としての意義を学びます。愛の記憶を呼び覚ますケアを通じて、ご家族が“愛されていた自分”を実感し、グリーフを癒す支援法を理解します。

お申込み方法


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ペットは私たちよりもずっと短い時間を生きます。

だからこそ、その最期の瞬間に“穏やかな愛”を届けたい。
「ペット医療看取り学講座」は、命を慈しむ心と医療的知見を両輪に、動物と家族、そして医療者自身を癒す学びの講座です。