一般社団法人日本看取り士会/一般社団法人日本看取り士会

ペットグリーフケア体感って?(胎内連載#5)

2026年01月30日

第5回(番外編):ペットグリーフケア体感って?

胎内体感と、ペットグリーフケア体感って、どう違うんですか?


こんにちは。胎内体感の連載担当です。

今回はいつもの「胎内体感」から少し離れて、
胎内体感から生まれた新しい講座、
「ペットグリーフケア体感」についてご紹介してみたいと思います。

***

🐾 ペットロスから生まれた、新しい“いとこ講座”

看取り士会では、もともと「ペット看取り学」という講座がありました。
ペットの介護や看取りについて相談を受ける中で、こんな声がたびたび出てきたそうです。

「最期、もっとこうしてあげればよかった気がして…」
「怒ってしまったことを、ずっと申し訳なく思っているんです」

表向きにはあまり言葉にならないけれど、
心のどこかに“小さな後悔”を持ち続けている方が、想像以上に多かったんですね。

そこで胎内体感の考え方を応用してつくられたのが、
4時間の「ペットグリーフケア体感」です。

・ペットとの出会い
・一緒に過ごした日々
・見送りまでの流れ

を、静かな環境でていねいに振り返っていきます。

出てきた感想には、

「やさしさと笑顔をもらっていた日々に、感謝でいっぱいになりました」
「楽しかった記憶も、大変だった記憶も、笑えるエピソードもたくさん思い出せました」

という言葉がありました。
“つらさ”だけに焦点を当てるのではなく、
「一緒に生きた時間ぜんぶ」を見つめ直す講座、という印象です。


🌙 胎内体感と、似ているところ・違うところ

胎内体感との共通点は、

・静かで情報の少ない空間で
・相手と向き合いながら
・落ち着いて記憶をたどっていく

という“進み方”にあります。

そしてどちらも、
終わった瞬間に変わるのはもちろん、
「あとからじわじわ効いてくる、漢方薬のようなプログラム」
です。

一方で、大きな違いもあります。

胎内体感では、
「母や父の立場に立って、自分の人生を調べる」
という“当事者意識”がとても大切にされています。

けれどペットグリーフケア体感には、
「ペットの立場になって考える」というワークはありません。

会長はその理由を、
「ペットは、存在そのものが愛だから」
と話していました。

ペットの気持ちを人間が“代わりに決めてしまう”のは、
どうしても独りよがりになりやすい。
それよりも、

・自分がペットにしてあげたこと
・そのときのペットの様子や表情
・一緒に笑ったり困ったりした場面

を、事実として静かに思い出していく。
それだけで、伝えきれなかった「ありがとう」や「ごめんね」が、
自分の中で少しずつ形になっていきます。


🐶 「完全じゃなかった自分」を、もう一度見つめる

私自身も、家族で飼っていた犬を看取ったことがあります。

一番かわいがっていたのは母でしたが、
静かに息を引き取っていく身体を抱いたとき、
「本当に家族だったんだな」と胸がきゅっとなった感覚は、
今も残っています。

同時に、
「もっと散歩に行けた日もあったかもしれないな」
という、小さな後悔も顔を出します。

ペットグリーフケア体感の感想の中に、

「怒ってしまったことをずっと悔やんでいましたが、
 思い出をたどるうちに、楽しかったことも、
 笑えることもたくさん一緒にあったと気づけました」

という言葉がありました。

胎内体感の資料には、

「不完全性の自覚に基づく謙虚さ」

という少し固い表現が出てきます。

でもペットグリーフケア体感で起きているのは、
もっとやわらかい形の、それかもしれません。

完璧な飼い主ではなかった自分。
それでも、精一杯その時その時を生きていた自分。

「完全じゃなかったけれど、それでも一緒にいてくれたあの子」を思い出すことで、
「完全じゃない自分」を少しやさしく見つめ直していく時間――。

ペットグリーフケア体感は、そんな場を提供してくれます。

***

📩次回予告(予定)

次回は、本来の連載テーマに戻って、

第6回:「このまま終わりたくない」と思った日。

をお届けする予定です。

亡くなった父や母との関係を、
「看取り直し」という形でそっと見つめ直していく胎内体感。

過去は変えられないけれど、
“あの人との関係”は、今からでもやり直せるのかもしれない――

そんな胎内体感の一面を、参加者の声とともにご紹介していきます。