看取り士日記(293)~死さえも生きるために~

看取り士日記(293)~死さえも生きるために~

2019年08月09日(金)8:03 PM

 ひまわりの花が元気をくれる中、名古屋での看取り学講座を開講する。

 看取り学とは14年の離島暮らしと抱きしめて看取る中でたくさんの幸齢者様から教えられた、生き方の作法とプラスの死生観をまとめた学問。

 名付け親は東京大学名誉教授の上野千鶴子先生。「看取りを文化として伝えたい」と言う私を、彼女が「柴田さん、2025年問題はとても大きな日本の危機。もう時間がないので学問として一人でも多くの人に伝えなさい」と言って導いてくれたのはもう10年以上前のことだった。

 あれから受講した方々の数は計り知れない。若い受講生のおひとりが、受講後に涙で語る。

「胃ろうで寝たきりのご高齢の女性の看護をしながら、この方が生きる意味はないのではと心の中で思っていました。でも、看取り学を学んで、いかに自分が傲慢であったか気付きました。看護の世界を志しながら、本当に失礼なことをしました。心からお詫びしたいです」と。

 無駄な生などひとりもないことに心の底から気付いた彼女は「私はこれからどこへでも飛んで行き、旅立つ方々の支えになります」と力強く語ってくれた。彼女は、死さえも生きるためにあることを心に落とし込んだ。きっと、もう迷う事はないだろう。

 今年も9月1日、「日本の看取りを考える全国フォーラム」を高梁市総合文化会館で行う。看取り学を学ぶ看取り士と一般の方々の看取りを考える好機。
 今年からフォーラムと名前を変えて、看取り士が看取らせて頂いたご家族にもご登壇頂く。看取り士の仕事は5つ、看取り相談、寄り添い、臨終間際の呼吸合わせ、看取りの作法をご家族に、臨終後の命のバトンリレーである。
 映画「みとりし」には4つ目までしか描ききれなかったが、皆様にプラスの死生観をご覧頂きたい。
 自らの死を見つめることが生を輝かせることと気付かせて頂いた幸齢者様に感謝 合掌



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