
看取り士日記(359)~父もいよいよ~
10月中頃、先日お母様のお看取りをさせていただいた長女様より連絡が入る。「父もいよいよ・・・病院で治療しつくして、退院して自宅で看取る事にしました。前回の様にお世話になりたいと思います。」
お母様の時と全く同じケアマネ、訪問看護ステーション、ヘルパー、そして看取り士でお父様(90)に寄り添わせていただく。
6月、お母様のお看取りの時にはまだまだお元気で、看取りの作法もしていただき、旅立たれたお母様と添い寝もしてくださるほどの愛妻家。
長女様おひとりでの介護。長女様は自宅でお仕事されているので、つきっきりは難しいため、エンゼルチームと暮らしサポートサービスを併用して寄り添わせていただく事となった。初回訪問翌日、朝から「無理とは思いますが、本日午後3時間くらいお願いできませんか?」と長女様より連絡。「朝から苦しがってうまく数値も取れなくて、今看護師さんに来てもらっています。看護師さん達が帰ってしまい一人になったら不安なので一緒にいてほしい」との事。「今から準備して伺います。呼吸合わせしてください。」とお伝えして向かう。
呼吸が変わったので、しっかりと看取りの作法をしていただく。おじさま(お父様弟)、姪っ子様が来て下さり、しっかりとふれてたくさんお声かけして下さる。そこへ訪問看護の方が定期訪問で来られ、先生に確認の電話を入れて点滴の指示をうけたが、準備している間に「もう息をしていないかも」と長女様。もう一度看護師が確認して、先生に連絡してエンゼルケアに入る。
ゴルフがお好きだったお父様におばさまがゴルフの時のブレザー姿を選ばれた。とてもカッコイイお姿。
夜、帰宅された次女様もゆっくりと2時間半看取りの作法をしてくださった。
誰にも告げず、自分が旅立ったらどうしたいかを絵本の最後のページに付箋で貼って伝えてくれたお父様。「こっそりと貼っているところがいたずらっ子みたいで父らしい」と長女様。
しっかりと皆様に命のバトンを繋いで旅立たれたお父様。その時に立ち会わせていただき、またたくさんの学びをくださったことに感謝
合掌
担当看取り士 多田知恵子
文責 柴田久美子
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