一般社団法人日本看取り士会/一般社団法人日本看取り士会

看取り士日記

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2018年04月12日

看取り士日記 (277) ~愛は穏やかに~

  寒さも緩み、春の気配が感じられる頃。 入退院を繰り返している旦那様の容態が悪化し、一時は諦めたが「帰るなら今しかない」と決心された奥様から、相談のお電話が入った。 入院先に申し出てから次

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2018年03月26日

看取り士日記 (276) ~もうひとりの家族~

  寒さの中、愛らしく咲く雪柳の白い花に見送られて、現場へと急ぐ。 暖かい居間に健さん(66歳)のベッドがあった。寝室ではなく家族が集まる居間にベッドが置かれている様子に、まずはご家族の温か

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2018年03月15日

看取り士日記(275) ~即身仏の世界~

ろうばいの花の香りに癒される頃だった。 ご相談のご連絡の後、すぐに駆けつけると、お電話してくださった奥様はご主人様の入院されている緩和ケア病棟で倒れ、点滴を受けておられていた。 ご主人様の癌を治すため

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2018年01月23日

看取り士日記 (274) ~尊い手仕事~

寒椿の花が固い蕾をたくさんつけて、冬を待つ頃になった。 愛する人を看取りたいと思いながら、最期に立ち会えなかった里子さん(52歳)からのご連絡を頂く。最近こうしたご連絡がとても増えた。 「最期に立ち会

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2018年01月05日

看取り士日記 (273) ~空間を愛に変えて~

11月のはじめ、山陰では珍しい快晴の空に迎えられる。 神の国鳥取県米子市での第110回 看取り士養成講座。米子市は「看取りの家」なごみの里があった思い出深い場所である。受講生様は8人。今回は講師になる

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2017年11月18日

看取り士日記 (272) ~魔法使いになって~

太陽の光がまばゆい程に呼びかけ、山々が美しく色づき始める。 そんな中に、一本の電話が入る。 「私は死にたくない。子供達の為に。お願いです。助けてください」 まるで何かに怯えるかのような声だった。癌末期

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2017年10月21日

看取り士日記 (271) ~夢の中、愛に包まれて~

細く可憐な彼岸花が満開の中で、静岡への講演会。 穏やかに導かれるままに講演会を終える。 会場の皆様が引かれた後に、一人の女性が涙ぐんで近づく。先日、愛するご主人をその腕の中に抱いて看取られた。 1ヵ月

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2017年09月21日

看取り士日記 (270)  ~時を慈しむ~

蝉の声が希望を呼ぶかのようで、青空がぬけるように明るい。 暑さの中、ほとんど言葉を交わすこともなく相談者の女性と道を急ぐ。 古いアパートに辿り着き玄関を開けると直ぐに台所。 台所の脇に布団が敷かれてい

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2017年08月21日

看取り士日記 (269) ~慈愛の看取り学~

蓮の花が美しい。蓮の花言葉は、清らかな心。 蓮の花をゆっくりと見つめながら看取り学上級の会場に向かう。 看取りの作法―実技編と称して、旅立ちの時の作法をお伝えしている。 先ずは靴を脱いで、受講生さまの

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2017年07月21日

看取り士日記 (268) ~カナダの風に吹かれて~

爽やかな風の美しいカナダで、看取り士養成講座開講。 日本から14人の皆様とご一緒する。6月8日、看取り士養成講座の前に、ブリティッシュコロンビア州バーナビー市での講演会を行う。 会場には70人を越える

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