
看取り士日記(366)~第二回 ペットの看取りを考える全国フォーラム~
紫陽花の美しい季節
6月15日(日)、明石市民会館にて「第二回ペットの看取りを考える全国フォーラムIN兵庫」が開催。命が躍動する若きダンシングチームKIRARA様のステージで幕を開けた会場。
基調講演では菅木佑始先生が「ペットは師匠」と語られ、その動物への深い敬意と謙虚さに、会場中が納得と感動に包まれました。特別講演では藤和彦先生が命を経済や社会構造の側面から紐解き、日常の中で見失いがちな命の重みを再認識させてくださいました。
シンポジウムでは、獣医師の藤原光宏先生、星川未羽先生、看取り士の山口朋子さんが登壇され、会場が静かな涙に包まれる中、命の終わりに何ができるかを深く考える機会となりました。
当日は遠方からもペット看取り士の皆様がボランティアとして駆けつけ、旅立ちを見守る力が全国に広がっていることを実感いたしました。
思い出されるのは、ある20歳のシニア猫さんの旅立ちの場面です。ご家族は「猫らしく旅立たせてあげたい、でも、看取るのが怖い」とご相談されました。旅立ちの数日前から食事が減り、心の準備が静かに整っていく中、一本の電話。「もうダメかもしれません」とのお母様の言葉に、「感謝を伝えてください」と看取りの作法をお伝えする。
その後、お母様はずっとシニア猫さんに語りかけ、抱きしめられ、愛と感謝に満ちた時間が流れます。ご家族に抱かれながら、猫さんは立派に旅立たれ、ご遺体にもドライアイスは使わず、三日三晩寄り添われました。「これからは猫という種に感謝して生きていきます」と語られたお母様。
その後、再び届いたお電話では「旅立ちが、もう一本の私の軸になりました」と涙と共に話されました。
ペットとの別れは深い悲しみを伴いますが、そこに愛と感謝を重ねることで、新たな生きる力が生まれ共に生きることが出来る事を学ばせていただきました。ペットの看取りを考える全国フォーラム、心よりの愛と感謝と共に、大成功のうちに幕を閉じました。
たくさんの皆様とのご縁に感謝 合掌
担当看取り士 柴田久美子