看取り士日記(339)~ペット看取り士と春風のように暮らしを支えて~
看取り士日記(339) ~ペット看取り士と春風のように暮らしを支えて~
新緑のまぶしい季節。
私が月間紙「安心」、週刊誌「女性自身」にペットの看取りの記事を書かせて頂き、ペットの依頼が続く。実にペットの数は小さなお子様の数を上回る時代。親の看取りの時よりも「辛い」との声すら頂く。ペットは家族。飼い主様の不安は計り知れない。
先日も「老犬で目が見えず、自分の便を踏んでしまうので目が離せない。オムツも嫌がる。助けてください」とのご相談。私の愛犬もそうだった。いつもショルダーで抱いて看取りの家に連れて行って仕事をしていたのが思い出された。
日本看取り士会初めてのペット看取り学講座を急遽開催。全国に42人のペット看取り士さんが誕生して地域の皆様のお役に立てる準備を整えた。
兼ねてより「高齢になりゴミ出しが出来ず困っている」とのお言葉も良く聞いた。実際、私自身が骨折を体験した事で当事者になり不便な暮らしを体験。4月より暮らしサポートサービスも開始した。
どんな小さな事でも地域の皆様のお困り事に対応する事に決めた。もう一人の家族として春風のように皆様の暮らしに寄り添う看取り士でありたい。
私の骨折と同じ頃に、子供食堂に来てくださる80代の透析患者様が骨折のために4ヶ月入院なさっていた。元気になって車を運転して子供食堂に来てくださった。その時おっしゃられた言葉が印象的だった。「柴田さん、心が折れそうな毎日だった。そんな中でも心が前を向くように自分を奮い立たせ、必死に良くなると、希望にすがりついていた。治るか治らないかは自分が決める。心が萎えたら終わり気力が全てだね」とおっしゃった。この言葉が全てに通じると、私自身強く感じた。
暮らしの中で教え導いてくださるご縁を頂く全ての方々の真心に手を合わせ感謝 合掌
看取り士 柴田久美子