一般社団法人日本看取り士会/一般社団法人日本看取り士会

看取り士日記

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2019年12月10日

看取り士日記(297)~家に帰りたい~

 風や空が澄みわたり、山の葉が黄色や赤に少しずつ色づき始めた時期であった。  ご依頼者は、娘様。2年前から闘病生活と共に接骨院を営むお母様。入院前日は、開業記念日47年目であった。どんなに痛みがあって

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2019年11月11日

看取り士日記(296)~間に合って良かった~

 萩の花が可憐な花を楽しませる頃になった。    9月13日から全国上映となった映画「みとりし」。この映画を全国で最初に上映決定していただいた有楽町スバル座の、最終上映日前日にトークショーを

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2019年10月17日

看取り士日記(295)~心を支えて~

 彼岸花の紅が、旅立たれた方々の蘇りを教える頃です。  9月1日映画「みとりし」ロケ地の高梁市で第6回 日本の看取りを考える全国フォーラムを開催。  おかげさまで過去最高の500名以上のお客様をお迎え

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2019年09月17日

看取り士日記(294)~家族の再編~

 雨に打たれながら紫陽花が花開く美しい梅雨の時期のこと。看取りから奇跡的に生きる力へと変化させた幸齢者さまが、87歳の誕生日を迎えた。満面の笑みとその傍らには2人の姉妹の幸せな笑顔があった。 &nbs

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2019年08月09日

看取り士日記(293)~死さえも生きるために~

 ひまわりの花が元気をくれる中、名古屋での看取り学講座を開講する。  看取り学とは14年の離島暮らしと抱きしめて看取る中でたくさんの幸齢者様から教えられた、生き方の作法とプラスの死生観をまとめた学問。

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2019年07月11日

看取り士日記(292)~旅立ちのあたたかさ~

 麦の穂が空高く伸びゆく5月のある日。1本のお電話を頂く。 「96歳の父が4月に膵臓癌の末期で余命一ヶ月と診断され、今施設に居ます。弟と2人で看取ることがすごく不安なんです。」と娘さんが話される。  

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2019年06月11日

看取り士日記(291)~抱きしめて命を重ねて~

 一年に一度必ず訪れる桜が満開の時、50年咲き続けた桜が舞った。  献身的にご主人を支え続けてきた奥様が、50年添い遂げたご主人に抱かれて旅立たれた。    看取り士の派遣依頼が入ったのは息

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2019年05月10日

看取り士日記(290)~失っていく美しさの中で~

 桃の花が香る季節。春めいた柔らかな陽射しの頃だった。 「いつの日か最期の時には、母を看取りたいからその時はお願いしたい」と話されていた娘さんからのご依頼。「様々なことを誰にも頼らずに暮らしてきた母が

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2019年04月11日

看取り士日記(289)~希望の先の慈愛の世界に~

 平成という時代の最後の年明けの頃に、一本の電話を頂く。 「母を家に連れて帰りたい。お手伝いをお願いします」  初回訪問は6人部屋の病室だった。ご家族の居場所もなく、お母様の土のような顔色を忘れられず

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2019年03月11日

看取り士日記(288)~最期の温もりに包まれて~

 うぐいすの鳴き声に春の足音が聞こえる季節。  看取り士さんから1通の手紙が届く。  93歳の誕生日を迎えて約一か月。突然の意識消失で救急搬送された祖母は、癌の転移、心臓の機能低下により、老衰になるだ

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